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ケービンの跡を歩く 金城功著 おきなわ文庫 [鉄道本]

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最近、個人的に軽便鉄道が気になっている。
そんな中、色々調べているうちに沖縄に軽便鉄道があったことを知り、本書を手にした。


本書は題名通り、沖縄の県営鉄道跡を歩くという内容だ。島の人々は、同鉄道を親しみを込めてケービンと呼んでいた。


本書の特筆すべき点は、風景描写に留まらず、道すがら出会った人々に積極的に声お掛けながら歩み進めて行く点だ。当時のケービンの姿は、そうした人たちの当時の記憶から、イキイキと蘇ってくる。


特に本書が執筆された、1997年は、戦争で路線が荒廃する前の姿を知っている人たちが、まだ市井に多くあり、線路の線形や日々の姿など貴重な情報に巡り合う確率も高かった様である。


これについて著者は、あとがきで"歩きながら人々に声をかけた。戦前から住んでおられる地元の人か、鉄道のことを知っている方かなと、その人の年齢などを頭で計算しながら声をかけた。"と述べている。


人々の話は本書の中でも素のままで取り上げられており、とても興味深い。
例えば、坂道で失速しそうな時は、機関士が燃え切らない石炭を掻き出し、次から次へと投炭をしていたこと、灰が火種となりたまに火災が起きていたことなど、数値的な記録資料だけでは知ることが難しい話題が掲載されている。


特に機関車の能力が存分に出せなかった点について、別本、図説 沖縄の鉄道 では、"沖縄の水は硬水で機関車の管にカルシウムが付着しやすい"、石炭は"八重山は悪質でカスが多い"と記載されており、運転の苦労を運営側からも知ることができる。因みに、この本は、沖縄の鉄道を史実や資料に沿って、紹介しており読み応えがある。またの機会に紹介したい。


2015年には、県営鉄道設立100周年事業として与那原駅舎軽便資料館が開館した他、ゆいレール展示館にも軽便関連の展示があると言う。


脈々と熱い活動が続いている沖縄県営鉄道。今後も目が離せない状況だと思う。


図説・沖縄の鉄道

図説・沖縄の鉄道

  • 作者: 加田 芳英
  • 出版社/メーカー: ボーダーインク
  • 発売日: 2003/08
  • メディア: 単行本


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